職能は企業が従業員を評価する基準としても用いられます。
企業経営において従業員をいかに評価するかは経営者にとって重要なテーマです。
この点、評価方法として主に用いられるものとして職能評価と職務評価の二種類があるのをご存知でしょうか。
どちらを採用するのかは従業員のモチベーションにも関わってくることであるため、それぞれの特徴を理解した上で決めることが重要となります。
まず、一つ目の職能評価とは、従業員の能力に応じて評価する手法で、かつては多くの日本企業がこのやり方を取っていました。
そのメリットは、しっかりとした判断基準に基づいて評価を行うことができれば、優秀な社員を高く評価できるため能力向上へのやる気を喚起することができる点にあります。
一方で、評価側にしっかりした基準がない場合には、経験年数や個人的な好き嫌いで評価しがちになり、結果的に年功序列を促すことになりかねないというのが注意点であると言えるでしょう。
一方、二つ目の職務評価は与えられた職務内容について評価するというやり方で、同一労働同一賃金に馴染むものです。
仕事の内容が同じであればもらえる給料も同じということで、社員から見てわかりやすい評価制度であると言えますが、ややもすると与えられた仕事だけやっておけば良いということになりイノベーションが生まれにくい状況に陥りがちというのが注意点です。
このように、この2つの評価にはそれぞれのメリットがあり、それぞれのデメリットを補填するために双方を採用するということも可能です。
つまり、あらかじめ与えた職務を遂行した上で、プラスアルファで達成した成果については職能的に評価することで、社内的に納得が得られやすい制度とすることができるでしょう。
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